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ゆる事項について相談を受けつけた。インターポールとしては、職員の諸手続に関してサインをするだけでよいという段階までリヨン市側が準備を整えてくれて非常に助かった。
? 家族のリヨンでの職探し、住居探しも支援した。
? 職員の子弟教育の問題が重要であることから、インターナショナルスクールを開設した。
? 非常に良い土地(15,000?)を無償で提供してもらった。これにより当初見積もっていた移転費用が半額で済むことになった。このことは、リヨン市に移転を決めた決定的要因であった。
・これらの努力の成果として、84年の移転アンケートでは、85〜90%の職員が移転に消極的であったのに対し、リヨン市での新庁舎建設が始まった87年のアンケートでは、80%の職員が移転に賛成という結果になった。
・移転をきっかけとして、定年まで20年未満の事務職の人には、コンピュータ導入に伴う再教育に要する費用等のコスト計算に基づき退職勧奨を行った。
・リヨン市の努力は、商工会議所主導で行われ、契約書の中身が固まった段階で議会の承認を得た。
・リヨン市としては、国際都市でありたいという強い熱意があった。年間約200回の会議のうち半数の100回はリヨン市で開催され、2,000〜3,000人の往来があるため経済的な利益が期待できるが、それ以上に町のイメージアップのほうがより重要であり、リヨン市は国際的な都市であるという名声が何よりも重要と考えていた。
・国からのリヨン市に対する支援は一切なかった。
・インターポールがリヨンという地方都市にあるメリット・デメリットとして次のような点が考えられる。
(デメリット)
? 大使館、領事館とのコンタクトが不便であること。ビザの発給の度にパリに出向く必要が有る。
? 通訳の確保が困難であること。
? フランス国内での会議や催しがほとんどパリであることに伴う不便さ。
? 国際空港の機能の弱さ。ダイレクト便が非常に限定されていること。
? 2週間ないしはそれ以上の長期にわたる会議開催時におけるエンタテインメントの不足。
? 英語が通用しないこと。

 

 

 

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